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3.262020
ショーケン(萩原健一)筆跡診断~一周忌に寄せて

ショーケン(萩原健一)といって
私のなかでもっとも印象に残っているのは
テレビドラマ『太陽にほえろ』傷だらけの天使』(歳がバレますが…笑)
それとカラオケでもよく歌っていた『愚か者よ』
破天荒でやんちゃだけどどこか憎めない
浮き名もたくさん流しましたがそれだけモテたのもわかる
男が惚れる「男の中の男」というイメージでした
世間は新型コロナ一色で
ショーケン一周忌の話題も埋もれてしまいましたが
このブログで思い起こし偲んでいただければ幸いです
掲載の筆跡は
ショーケンから映像プロデューサーのK氏に送られた
1987年(昭和62年)の年賀状
サイン以外に直筆がほとんど残っておらず
ネットで検索しても見つからない
貴重なショーケンの筆跡をご提供いただいた
Kプロデューサーには感謝申し上げます
本日の一周忌に寄せて
ショーケンの魅力を筆跡から考察してみました
ショーケン(萩原健一)年賀状 表面

ショーケンからKプロデューサーに送られた年賀状の表面
ショーケン(萩原健一)年賀状 表面

ショーケンからKプロデューサーに送られた年賀状の裏面
筆跡を見てまずはじめに目に飛び込んできたのは
「お願いします」の「す」の字の下部縦線がめちゃくちゃ長い点。
他にも「築地」の「築」、「松竹」の「竹」、「株式」の「株」、
「宣伝部」の「部」、名前の「崎」、「本年」「六十二年」の「年」など、
至るところでこれでもかっていうくらい極端に長い線が目立ちます。
この【①縦線下部長突出型】は
並や平凡では満足できない、
より良い結果を求める意識の高さをあらわします。
ショーケンの仕事に対して妥協を許さない姿勢と
さらなる高みを目指す向上心のあらわれでしょう。
「一丁目」の「目」「宣伝」の「宣」、「元旦」の「旦」など
横線の等間隔がまったくズレているのも強い特徴のひとつ。
【②非等間隔型】は客観より主観、
理性より感情を優先、本能的に動く傾向があり、
カンやヒラメキが優れているところもあります。
表現者としてさまざまなフィールドで多彩な才能を発揮していた
ショーケンならではの筆跡特徴といっていいでしょう。
華やかな社交性とオーラをあらわす【③散開点型】
「株式」の「式」、「萩原」の「原」の最終画の点が
中心から離れているのが見て取れます。
これもショーケンのスター性の証といえます。
「松竹」の「松」、「築地」の「築」、
「本年」の「年」、「昭和」の「和」などにみられる
【④横線左方長突出型】があらわすのは
頭の回転の速さ、ありあまる才能のほとばしり。
「萩原」の「萩」とは読めない書き方の【⑤超越字型】は
強烈な個性と自信のあらわれで、
自己流を強引に押し通す面もあります。
文字のなかの線と線がつながる【⑧連綿型】は
情に敏感な繊細さをあらわします。
強烈な個性とありあまる才能を発揮したショーケン。
自己流の強引な側面と情にもろく繊細な側面
……こんな振り幅の大きいところも、
ショーケンの人としての魅力をあらわしているように思えば
【⑦右上がり型】のように
慣習や伝統を重んじる古風な面も
併せ持っていたようでもあります。
「本年も~」の行が下に向かっていくにしたがって
大きく右にズレていく【⑨行下部右ズレ型】
「お願い」の「願」、「昭和」の「昭」などみられる
文字のなかにつぶれがある【⑥空間つぶれ型】
どちらも悲劇指向性があり、
自らを苦しいところに追い込んだり、
追い込んだ結果として苦しみのなかから
新しいものを生み出す芸術家肌をあらわします。
ショーケンは元来がストイックな人間だったのでしょう。
最後に挙げた【⑩大字小字混合型】
その名の通り文字に大小の変化がある書き方で、
「宣伝部」「年元旦」などに一見してわかる大小の変化がみられます。
平凡に飽き足らず波乱万丈を志向する人です。
芸能界での華やかな活躍とは裏腹に、
大麻不法所持や恐喝での逮捕、
飲酒運転での人身事故、
3度の離婚と4度の結婚、不倫騒動など、
波乱万丈を絵に描いたような
まさにジェットコースターのような人生を
生き抜いた人でもありました。
そんな破天荒な人生を歩んだショーケンですが、
彼のファンは私も含めて見限ることはなかった。
それはショーケンの己を貫ききった生きざまに
自分にはかなわぬ「憧れ」のようなものを
見出していたからかもしれません。