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森友問題「手記」を筆跡診断

近畿財務局職員 遺書
近畿財務局職員 遺書

近畿財務局職員の遺書の筆跡を診断

 

 

 

しばらく沈静化していた森友問題が再燃した。

事の発端は、先日その存在が明らかにされた

近畿財務局職員が遺した手記(遺書)。

 

 

この問題に関して私見を述べるつもりはない。

筆跡のスペシャリストとして

公開された直筆の手記を故人の尊厳を最大限に尊重しつつ

客観に徹して筆跡診断することとする。

 

 

【手記の筆跡特徴を抜粋する】

かなり強い特徴

に準じる特徴

 

頭部突出控え目型

開空間広型

接筆開型

転折丸型

連綿型

空間つぶれ型

○ 横広型

はね型

○ 字間アキ型

 

 

少なくとも上記9つの筆跡特徴が抽出できた。

 

ここから手記の筆者の人間像と、

手記にあらわれている心の模様を考察してみる。

 

 

 

まずの最初に挙げた【頭部突出控え目型】

冒頭の「森友」の森の字 「木」の上への突き出しがまったくない。

次の「友」の字もまた然り。

2行目「佐」の「左」

3行目「対」の「寸」

4行目「招」5行目「指」の手へん

すべからく上への突出が控え目すぎるほど控え目である。

ここから自己主張が控え目、

協調性があり周りの空気に合わせるあまり、

波風を立たせないよう言いたいことを飲みこんで

自分の中に収めてしまうところがあるのが読み取れる。

 

 

次に挙げた【開空間広型】

漢字のへんとつくりの間が広い特徴である。

わかりやすいのは、3行目「強」4行目「社」6行目「理」「体」8行目「僚」など

ふつうの「広い」を通り越した広さである。

ここは別名「気宇」といって、包容力や懐の深さをあらわす特徴。

だが広すぎると、相手に嫌われることに対する恐怖心から、

なんでも受け入れてしまう「ノー」と言えない弱さをも意味する。

手記の筆者もまさにそんな心境だったか……。

 

 

文字の左上が開く【接筆開型】と 右上が丸まる【転折丸型】

1行目「題」の「日」、2行目「理財」の「里」をはじめ

「国会」「王国」の「国」など随所に「開いて」「丸まる」特徴がみられる。

接筆開は相手を受け入れる思いやり

転折丸は人当たりが柔らかくユーモアがあって明るい性格

をあらわす。

 

また○の特徴のひとつ【横広型】

庶民的に飾らず活動的なさまをあらわす。

手記筆者の妻の代理人が記者会見で

「(手記筆者は)大声でガハガハ笑ったりして

いろいろな趣味を持たれていて活動的」と話していたが

まさにこの【接筆開型】【転折丸型】【横広型】

そのものの性格であったようだ

 

 

 

 

本来はマイペースなタイプなのだろう。

のんびりした性格【字間アキ型】もある。

 

 

加えて、手記のなかの漢字のほとんどにみられる

線と線がつながる連綿線(【連綿型】)は

義理人情に厚く 情に敏感。

人の情がわかる 人間味のあふれたお人柄だったことがうかがえる。

 

 

そんな自分に正直だった手記筆者の筆跡にあらわれている【空間つぶれ型】

2行目「財」3行目「硬」4行目「題」5行目「誰」6行目「理」「質」など

文字のなかのところどころに「つぶれ」がみられる。

根は明るく活動的な手記筆者だけに、

心のなかの苦しい胸の内をあらわす

「空間つぶれ」がたくさんあるのは 違和感しかない。

裏を返せばそれだけ

とことんまで追い詰められ心が押しつぶされていた

……ということを示しているように感じられてならない。

 

 

「問題」の「問」、「財務」の「務」などわずかにはねがあるが

他は総じてはねがない【はね弱型】

粘り強い対処もできる半面

本質的にはプレッシャーに弱いがために

最期は自らの命を投げ出してしまったのであろうか。

 

 

善良な市民であるとともに誠実かつ誇りを持って

仕事に取り組む真面目な官僚でもあった手記筆者。

 

そんな彼に「死のカード」を引かせてしまった

この問題の罪と罰は、限りなく深く重い。

 

 

 

 

 


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